100は100でも。

「では問おう。偏差値100とIQ100とテストで100点満点、
この3つのうち、まず間違いなく一番頭がいいのはどれだ？」

標準偏差とか言われているものがある。

まあざっくりした事はこちら(Wikipediaにれっつごー)を参照して欲しい。

で、なんでこれを語ったかと言うと、上で挙げた全ての100の意味が全部違うからなのだ。

テストの100点満点は、単純にテストを間違えなかったという意味になるが
クラスにはたっぷりいるだろう。

偏差値もIQも知力を測る分布図であり「平均からどれだけ離れているか」の指標であるが
ちなみにこの3つは以下のように「大きく」価値が離れている。

偏差値
平均(以下δで表す)：50
分散(以下σで表す)：10

IQ
平均(以下δで表す)：100
分散(以下σで表す)：10

と、平均値δの値がすでに50も違うのである。

…あ、良い損ねたが、IQはIntelligence Quotient/知能指数の略であり
δの読み方はデルタ(ただし小文字)
σの読み方はシグマ(小文字、大文字にすると意味が大きく変わる)
と読む事を覚えておいて欲しい。
最近の罵詈雑言にはIQ30とかいう酷いのもあるらしいが
どれだけ意味が解っていないか仮説を立てて言ってみる。
というかそれ言ってる奴の間違いは

・「知力を測る」「分布の用語」を偏差値しか知らない
・偏差値30はテスト最下位の数値
・偏差値を英語で言うとIQ(ここが間違い)

この3つが重なってる事だと思っている。
まず普通に学校に行って、一番初めに触れる分布の用語はまず間違いなく「偏差値」だろうと言う事。
これはテストの成績、進学の確率などから高校で正式に確率分布を習うより知るはずである。
で、テストの平均なんだがおそらく50点が平均と言う事は並みのテストだと早々ないだろう。
うっかりすれば70点あたりが平均という事もある。
これでσ=10ともなれば100点満点は多そうなのだが
そのあたりで本気を出しても50点取れなかった最下位がδ-2σ=偏差値30相当になる。
この部分の数値を見て「テスト最下位→バカ→IQ30」という言い回しが生まれたのではないかと考えたのだ。

ちなみにこの数値の最大の間違いは「偏差値を英語で言うとIQだと思っている」点に尽きる。
実際そんな事はないので、これを言う人間の知性はせいぜい小学生だと思っていい。

そして実は偏差値は、100以上にも0以下にもなるのだ。これが学校のテストと違う点。

この偏差値で、一部古い言い回しで「3σの上の外」と言う言い回しを社員研修時代に聞いていた時期があった。
(当人としては最上位の事を言いたいので上の外と言う言い回しをしていた)
これがつまり偏差値相当80以上(約0.3%以下)、大学受験なら東京大学あたりを狙えるスコアになる。
ちなみに+4σともなるとおそらく15000人に一人となる為、成績日本Top10あたりに名を連ね(最悪でも50位か)
恐らく全国に名前が知れ渡る可能性もある最上位である。
さらに言うと+5σともなれば200万人に一人レベルとなるわけで、これが偏差値100。
模擬試験などでこの数値をはじき出すとなれば全員総崩れしている中で一人だけ圧勝という図式が必要になる。

IQと偏差値を一緒にするな、というのも

コレだけの違いがあるからである。

ちなみに再度書くがIQの平均、つまり平均的な人間の知能を100としている。
上で言う+5σ=IQ150ともなれば世界的な天才になるのだ。

Google入社試験、Microsoft入社試験のようなとんでもない知能試験があるが
それを全問正解するよりも「問題を校閲する側」に回れる知力の持ち主になる。

それこそビル・ゲイツ氏とかスティーブ・ジョブス氏とか岩田聡氏はこのあたりのIQ持ってたんじゃないだろうか。

(ゲームに関する話題となれば耳に入るのはやはりMOTHER2のプログラム製作秘話とか)

ちなみに冒頭の答えは「偏差値100。どんなに悪くても平均から5σ上なら標準を越えているだろう」
あたりなら文句なし。

おっと、上に挙げた本まだ買ってなかったんだ。ちょっと本屋行ってくる。