そういえば有限会社orgってところがあるんだが。
「ほう、どんな会社よ。」
TCG製作に絡んでた。デュエマ(以下DM)やバトスピだな、メインは。
「ほう…ん、かなりのメジャーどころ作ってるのになぜ真っ先に名前が挙がらん?」
正直ねえ、この会社で言うと確実に
無双竜機ボルバルザークと
大天使ミカファールという
2作品で致命的に強い禁止カード作った会社なのよ。
デュエルマスターズ 《無双竜機ボルバルザーク》 DM10-09-VE 【クリーチャー】9,598円Amazon |
バトルスピリッツ/大煌天使ミカファール(Mレア)/煌臨編 第4章 選バレシ者349円Amazon |
ボルバルザークに関してはこちらの過去ブログを参照アレ。
「…悪名高いカードだな。というか今思い出したんだが、
DMもバトスピもWizards Of The Coastが製作に関してるんじゃなかったか?」
それは後の話。後はドラゴンドライブTCGなんてのも作っていたらしい。
これらの3つだけでなく他にもある。でも大きくはこの3つで
「TCGへの信頼を2~3年遅らせた」と池っち店長に言わしめたほど。
…どこで聞いたんだっけかなぁ。
「そこまで言わせるほどか。」
とりあえずボルバルザークは小学生が使うブラックロータス以上のパワーカードだからな。
Magic: the Gathering – Black Lotus – Oversized …97,662円Amazon |
「正直TCGへの信頼を2~3年遅らせたようなTCGを作って来た会社よ。有限会社orgは。」
…でも有限会社orgが作りたかった物ってのが
恐らく何だけど現在のデジタルTCGだったんだ、って思えるようになったんよ。
というのも上で上げた3つのゲームが今回の理由になってる。
「理由は。」
まず、ボルバルザークで恐らく
召喚誘発効果は強い
という事を学んだんじゃないかと思っている。というのも
召喚酔い、召喚したターン、そのクリーチャーでは攻撃できないって
今のデジタルTCGでは必ずある制限なのよ。その制限が無いものは初出アナログだし。
で、この召喚酔いがあるゲームシステムだと
「召喚時に発動する効果は、あらゆる効果に先んじて発動する」
というのがある。一部永続効果でこれを潰せるけど確かまだデジタルTCGには存在していないはず。
で、これがデジタルTCGと交わると
1:コンピューターになったため、バーンダメージの管理がしやすくなった
→召喚誘発効果でのバーンがデジタルTCGの全盛になった
タップ/アンタップはカードを見ればわかる効果だけど
アナログTCGでクリーチャーへのバーン/効果ダメージって、それこそMtG位でしか見かけない。
DMの地獄スクラッパー(パワーが5000以下になるように選んで破壊する)とか
バトスピなら「パワー10000以下のクリーチャーを1体破壊する」とかの表記になって
『バーンダメージで焼け残る』事が少ないのよ。あくまで上の場合は「一撃で効果破壊」してる。
ただこういう数値を全部機械にやらせて、なおかつパワー/タフネスはリアルタイムで見やすくなれば
それこそバーンダメージも使いやすくなる。というか現に今のデジタルTCGはそれだもん。
怪獣王ゴジラ[2000] R バトルスピリッツ 怪獣王ノ咆哮 bsc26-010100円Amazon |
そしてデジタル化したことの恩恵としてもう一つは
2:ランダムの管理がしやすくなった
→対象を取らない効果が増え、ピンポイントサーチがし辛くなった
たとえば効果破壊、どれを破壊するか対象を指定して破壊しないといけないが
一部ゲームだと「このカードは効果の対象に指定できない」ようなカードが存在する。
「被覆とか絶界、アンタッチャブルとか言われる奴か。」
うん。だけどそれでも「相手のクリーチャーを『ランダムに1体』破壊する」となると
対象を取っていないので破壊できるようになる。
この「ランダムに決める」ってのはまさにコンピューターの十八番。
ランダムに2体破壊するというのもあり。
ドラゴンクエストライバルズのクリフトはまさにその権化よ。
「召喚時:2箇所にいるクリーチャーを即死させる」んだけど、このゲームは全部で6箇所にクリーチャーを出せる。
だから何もいない場所を選択することも多々ある、というかそっちのほうが多い。
(単体即死効果がMP5がおそらく基準。クリフトはMP5で出せるが即死させるクリーチャー数の期待値は2/3)
盤面の破壊ならこうなんだけど、それこそ特定のタイプ、種族や属性を引くカードもランダムなんだわ。
「…仮に種族単色デッキで組んで、種族サーチカードを使えばアナログTCGならデッキから探してくる事ができるが
デジタルTCGだと『その種族の中からランダムで1枚』サーチして手札に加える』になるのか。」
そう。これが墓地のカードでも追放領域でも同じ。
ここでミカファールから学んだ
ドローは強い
ってのが出てくるのよ。それこそあるよ。デジタルTCGだと効果1回で3枚以上手札が増えるカードが。
上限までドローするのもある。
それこそドラゴンクエストヒーロズのベロニカとか召喚時に呪文を5枚以上ドローとかいうエグイ物もある。
けど
3:ドローソースは多くなったが、最大手札枚数は一瞬たりとも超えられない
これがデジタルTCG。
「…一瞬たりとも、ってどういうことだこれ?」
アナログTCGは手札上限枚数を超えて手札を持っていても
ターン終了前あたりに「オーバーした手札を墓地に送る」という処理がある。
とはいえ『そのタイミングが来るまでは手札に持っていることが出来る』のよ。
(遊戯王で言うならターン終了時に魔法、罠をセットするタイミングね)
デジタルTCGは手札上限を超えてカードを引いたら、そのカードは墓地に直行する。
だから相手が手札上限枚数持っているときにドローさせる効果を発動する戦術もあるのよ。
手札に入れさせずに墓地に落とすような。
で、推測なんだけどデジタルTCGの手札上限枚数って
C++でいう#define(プログラムの外で決定している数値)あたりで決められているだろうから
カードの効果、つまり関数や変数の外の領域なんだと思っている。
そして最後、ドラゴンドライブTCGでは
1ターンでプレーヤーのフェーズが次々に変わった
という小学生がマトモにプレイ出来る代物ではない難易度のターン進行手順になっていたそうな。
詳しくはこちらを参照。
しかしこのシステムが最終的にどうなったかと言うと
4:クリーチャーでの攻撃が「各クリーチャー単位で」行えるようになった
(アナログTCGでは「バトルフェイズ」に1度しか行えない)
という、ある意味アナログTCGとデジタルTCGの最も大きな違いになったんだと思っている。
だっているのよ。デジタルTCGには「召喚時『このクリーチャーは攻撃する』」って効果持ってるカードが。
(無論速攻持ち。そうじゃないとこの効果は意味を成さない)
具体的な例はCode of Jokerの光翼神ホルスとソニック(the hedgehog)。
デジタルTCGはコストが許す限り召喚と攻撃のタイミングは自由なんだ。
ターン開始時に攻撃してクリーチャー召喚、そしてまた攻撃してターン終了とかよくある。
とりあえずデジタルTCGの要因をまとめると
1:コンピューターになったため、バーンダメージの管理がしやすくなった
→召喚誘発効果でのバーンがデジタルTCGの全盛になった
2:ランダムの管理がしやすくなった
→対象を取らない効果が増え、ピンポイントサーチがし辛くなった
3:ドローソースは多くなったが、最大手札枚数は一瞬たりとも超えられない
4:クリーチャーでの攻撃が「各クリーチャー単位で」行えるようになった
(デジタルTCGでは「バトルフェイズ」に1度しか行えない)
こんな感じでアナログTCGとの違いがあるわけだな。
「随分変わってるんだな…というより、冒頭に出したあの会社はどうなってる?」
サイトはあるから、息だけしてるんじゃないの?虫の息でも。
ここから追記2019/09/18
…とまとめたんだが、実はあともう一つコンピューター化によって変わった点がある。それは
ドラゴンドライブの上部に書かれた記号が
小さすぎて読めるか!!
というもの、これが実はコンピューター化して完全に解決したのである。
この問題だけではない。テキストの小ささや情報記載量に至るまで解決した方法がある。それは
カードの裏面にもテキストを
記載すればいいのである。
このように、表面にはイラストがどでかく、そして裏には
- レアリティ(このカードではC。一番普通のカードである)
- カード名
- イラスト
- 基本性能(イラストの右側、コスト、種族、属性、バージョン、基本パワー)
- カードの効果(タブ分けされた左側、以下3つスクロール可能)
- フレーバーテキスト(タブ分けされた中央)
- カードが行動した時の台詞(タブ分けされた右側)
- そのカードが場に出せるトークンの詳細への切り替えボタン
ここまで詳細に記載されるのである。と言うよりなんでこんなことが出来るか。
「人間に対して情報を隠す必要がない」から
である。
アーケードカードゲームではカードの向きを変えたり裏返したりする事で効果を発動するが、裏側にして隠す必要がないのは筐体の先にいる人間にはゲームシステム自身が隠しているから必要ないのである。
カード数十枚を束にしなければいけないアナログTCGでそんな事をすれば裏にかかれた情報だけで次のカードが何かわかってしまう。それを解決したのがデジタルTCG。
コンピューター自身がカードの裏側になればいいのである。
(カードスリーブのデータの設定も自在だろう)
と、テキスト問題から何から解決できるようになったのである。
ココまで含めてデジタルTCGの進化をまとめると
1:コンピューターになったため、バーンダメージの管理がしやすくなった
→召喚誘発効果でのバーンがデジタルTCGの全盛になった
2:ランダムの管理がしやすくなった
→対象を取らない効果が増え、ピンポイントサーチがし辛くなった
3:ドローソースは多くなったが、最大手札枚数は一瞬たりとも超えられない
4:クリーチャーでの攻撃が「各クリーチャー単位で」行えるようになった
(デジタルTCGでは「バトルフェイズ」に1度しか行えない)
5:カードの裏側をコンピューターに任せて、カードの両面に内容を記載できるようになった
ということになるだろう。
で、おそらく有限会社orgももう大丈夫だろうと思っている。
おそらくCode of JOKERで7年続いた。そしてZENONZARDが新しく始まった。
ゲームシステムにおいてもβ版から第1弾で調整が入り、だんだん勢力図が変わるようなゲームにはなっていくだろう。
さあ、楽しもうぜ。